見えない情報アーキテクチャ

見方さえ知っていれば、情報アーキテクチャは目に見えるということが分かります。

しかし、逆に情報アーキテクチャは目に見えないことが多いもの、という認識を持つことも大事です。

一例を挙げましょう。あるOA機器メーカーのサイトで、汎用的な装置名を入力し検索したところ、違うものがいくつか出てきたとします。

例えば、3つの検索結果が並び、その下にはさらに多くの検索結果がページの端まで続いていたとしましょう。

後者の結果はソフトウェア(ここでは検索エンジン)によってはじき出された結果です。検索エンジンはユーザーの目には見えません。

検索エンジンはサイトの特定部分をインデックス付け及び検索し、検索結果として特定の情報(例えばページタイトル、URL.日付など)を表示し、検索クエリーを何らかの方法で操作するように構成されています。

検索システムの設定に関するこうした取り決めをユーザーは知りませんが、この取り決めが情報アーキテクチャの設計に絶対必要な性質なのです。入力した装置名の検索結果は人の手で届けられるものです。その装置名は重要だけれど、まだあいまいな言葉です。

だからサーチエンジンに入力されたら不適当な検索結果が出てしまうかもしれない、とサイト製作者は考えます。

そこで適切なページを見分けた上で、そのページをその装置名と関連付ける、という難しさを見込んでいます。

おかげでその装置名の検索結果には3つのアイテムが表示されるに至っています。ユーザーは、この結果を自動的に出てくるものに思うでしょうが、実は目に見えない情報アーキテクチャのお陰なのです。

情報アーキテクチャはナビゲーションのルートを描いた単なる青写真でもなければ、視覚的なデザインを知らせるワーヤーフレームでもありません。それを超えたものです。

この分野に関わるのは視覚的に存在するものだけではありません。

情報アーキテクトが作業を定義するのは目に見える性質と目に見えない性質との両方で、そのことが作業の難しさを物語っていると言えるのではないでしょうか。

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